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文芸社の本おすすめ隊

本を愛する職場の仲間たちとおすすめの本を紹介!

釣り

小説・エッセイ 翻訳 地理・紀行

 

   

お松≫≫
こんにちは。
まだ梅雨も明けておりませんが、30度を超える暑い日が増えてきましたね!
熱中症など対策は万全ですか?
そんな今回は、暑い日々を「涼しく」乗り切るためにぜひおすすめしたい、
「釣り」に関する書籍をご紹介します。
それでは、ご覧ください。

 

140年の観測史上はじめてとなる、8日連続の猛暑日を記録した昨年夏東京。うだるような熱風に音をあげるほかない。頭からは湯気が立ち昇り、うしろを歩く人に蜃気楼を見せていたことだろう。 心身を正常に保とうと自律神経が働き、頭いっぱいに涼やかな渓谷の像が投影される。そんな夢うつつの状態で我が社の書架から選んだ数冊は、すべて釣りにまつわるものだった。気づけば、そのうち2冊はやはり「渓流モノ」である。

渓流に岩魚を追って

香村 努(2008/1 文芸社)

透徹な渓にザブリと半身つかる気分で本を開く。麗しい流線型をした渓流魚を愛する作者らしく、どのページも美文に満ちている。期待どおりの心地よさ。岩魚釣りの極意は、相手に存在を悟られぬことだ。ゆえに釣り人はおのずと自然界に同化し取り込まれようとする。無駄な動きを省き、呼吸を整え――まるで禅のよう。その静けさに体感気温が2℃下がる。

岩魚釣りの旅礼賛

岡村 親宜(2004/9 文芸社)

心の洗滌という位置づけで岩魚釣りをはじめた弁護士による作品。先述の一作と異なるのは、徹底的に源流域だけを攻めつづける姿勢か。誰も辿りつけぬ秘境に棲む岩魚に出会うために、釣り糸を垂れる時間よりもはるか長い時間をかけて山を歩く。おとなの冒険的要素にゾクゾクし体感気温はさらに2℃下がる。

新訳 老人と海

著者:E・ヘミングウェイ 訳者:宮永 重良(2015/4 文芸社)

少し元気になり、心は一気に外洋にまで出る。ヘミングウェイ晩年の世界的名著『老人と海』を、福田恆存訳の新潮文庫版でも小川高義訳の光文社文庫版でもなく、「新訳」と謳う当社発行の野心作で愉しむのだ。手前味噌でなんだけど、カバーはこれがいちばん恰好いい。ヘミングウェイへのリスペクトが前面に出ている。加えて、自身船乗りという訳者が描くディテールは鮮やかだ。少々興奮して体温が上昇したことで発汗し、気化熱により外気が冷えて感じる。よしよし。
かくして私が選んだ夏の3冊は、数日にわたり健康的な「涼」を提供してくれたのだった。

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