文芸社の本おすすめ隊

本を愛する職場の仲間たちとおすすめの本を紹介!

「戦後70年」をむかえて

お松≫≫
皆さま、こんにちは!
今日から毎週、新しい記事をアップしていきます♪
第一回目のテーマは、「戦後70年」です。
他では知ることのできない、実際に戦争を生きた方が書かれた貴重な本を、今回、大先輩の香月さんに教えてもらってきました!
それでは香月さん、ご紹介をよろしくお願いします!!!

 

こんにちは、香月です!今日は当社の書籍3冊をご紹介します。

私は、お客様からの応募原稿を社内で最初に拝読する部署に所属しているのですが、日頃からジャンルを問わずバラエティ豊かな作品に触れています。そして今回は「戦争」にまつわる書籍を紹介します。戦争体験といっても、その内容は立場によって実にさまざまです。

父の背中

松岡 敏(2015/4 文芸社)

終戦を北朝鮮で迎えた当時7歳だった著者が、その記憶を頼りに記した著作です。北朝鮮での暮らしぶりや戦雲が漂う街の様子も描かれていて印象的ですが、少年の視線で語られる過酷な引揚げ体験や帰国後に受けた差別などは、素朴に記されているからこそ生々しいノンフィクションとして胸に迫ります。

記憶に留めん

亀井 實(2015/5 文芸社)

海軍陸戦隊として戦地に赴いた一兵士の記録です。40歳で再応召され、「一夜にして一万近い人命を失う程の激戦地」(p.63)という最前線を生き抜き、恐怖と疲労、飢えと熱病に苦しみながらも帰国した著者。復員はまさに奇跡的な出来事だったことに気づかされます。隊長や戦友たちの人間模様を含め、一兵士の率直な心情も忌憚なく記されています。

絵で語る子どもたちの太平洋戦争

岡田 黎子(2013/7 文芸社)

女学校で動員令を受け、兵器製造所に出動した当時13歳だった著者による語り画集です。当時「極秘の孤島」であった大久野島における気球爆弾製造や訓練生活の様子、空襲や被爆など戦禍を被った子どもたちの様子が詳細に描かれています。当時を知る貴重な資料であり、平和に対する祈りが込められた著作です。

当社はこれまで、戦中の記録や平和へのメッセージを残したいという方々の出版を数多くお手伝いしてきました。「戦後70年」にあたる今年、皆さんにもぜひ手にとっていただきたいと思います。

父の背中 記憶に留めん 絵で語る子どもたちの太平洋戦争