文芸社の本おすすめ隊

本を愛する職場の仲間たちとおすすめの本を紹介!

ラブ織田信長

お松≫≫
こんにちは♪ 11月に突入しましたね!
早速ですが、皆さま!
『本能寺の変 431年目の真実』という書籍をご存じですか?
35万部を突破したこの書籍ですが、(読んで下さった方、ありがとうございます♪)
文芸社には他にも、興味深い歴史関連本が数多くあるのです!
そこで今回は、歴史大好きトウキチロウさんに、その中でも特におすすめの書籍を教えてもらってきました。
それではご紹介をお願いします♪

 

織田信長が好きです。でも、上司にはしたくありません。そんな私です。
信長については諸大先生方から在野の士まで、様々な小説、研究本、トンデモ本と、もはや語りつくされた感もあり、わたくしも既存の切り口はもう「飽いている状態」です。そこで、新たな感覚で読める本ということで二冊あげてみます。

まず、最近の本から一冊。 

謀略の剣 風雲越後編

磯崎 拓也(2015/5 文芸社)

これは、謙信、信玄、信長の三つ巴の争いの中で暗闘する忍びたちの活躍を描いています。主人公十左衛門が仕える主君は謙信。信長はその敵役という役どころです。敵役の信長といえば、想定どおりの「魔王」。少ない登場機会で十分にそのキャクターは確立できております。でも本作で注目なのは、武将たちではありません。「謙信・義の名将」「信玄・その好敵手」「信長・冷徹な覇王」鮮明な役どころの三傑の陰で、ひたむきに戦い続ける忍びたちの成長、葛藤、愛、を克明に描写したヒューマンストーリーなのです。今回は「風雲越後編」。川中島の死闘から、謙信の死までを描いています。今後は「本能寺の変」など重大な歴史事件に直面することとなるでしょう。ここでは信長が大きくクローズアップされるはずです。続編に期待したい本格忍者小説です。

さて、信長について、といったのに少しそれてしまいましたので、もう一冊。

『織田信長の秘密』

永司 千力(2011/12 文芸社)

「よくあるタイトル……」と思ったら甘いですよ。前半はわかりやすく解説する初歩の歴史紹介ものかと思いました。ところが「信長はある時、別人が入れ替わった」という辺りからにわかに歴史探偵色を濃くしていきます。表にでることのなかった脇役たちを緻密に調べて根拠をあげ、噴出する反論をつぶしていきます。信長晩年の佐久間、林追放事件、そして本能寺の変へと、大小様々なエピソードを紡ぎあげ史実に結びつける説得力。これは、もし時代設定を代えて歴史小説とすることができれば、「信長の棺」のような作品となるのでは……とすら思わせてくれました。登場人物たちがやや鈍感そうに思えた気持ちを忘れるほど、斬新な切り口にあっぱれ。

この著者「徳川家康の秘密」「豊臣秀吉の秘密」も書いています。あわせて読んでみたい、と思わせてくれる一冊です。

 

※誠に申し訳ございませんが、
ご紹介いたしました『織田信長の秘密』は、現在「絶版本」となっております。

謀略の剣 風雲越後編 織田信長の秘密